これから登山をはじめる方から超初心者の方まで装備・持ち物や保険やマナー等 安心・安全・快適に登山を楽しめる様に徹底解説していきます

OD缶CB缶オススメ バーナーの危険性と残量確認/廃却方法

楽しくなるはずの登山が危険と解らず使用していたり使用前の確認をしないだけで大惨事になりかねません。正しい扱い方を知っておきましょう。

登山の楽しみは素晴らしい景色や発見出来た植物だけではなく山頂で食べるお昼ご飯も楽しみですよね。そのお昼ご飯の調理や食後のコーヒーを作るのに欠かせない物がバーナーとガスカートリッジ(以下:ガス缶)が必要です。

初心者の方はバーナーを購入する前にガス缶を把握して選びましょう。どんな種類があるのか性能はどうなのか又重量や大きさは?何を基準に選べば良いのか、あなたの用途に合ったガス缶を見つけバーナーを購入する手助けになれば幸いです。



ガス缶の種類

OD缶:「Outdoor」アウトドアの略です。ガスの内容量は110g(小)250g(中)500g(大)と3種類ありメーカーによってはこの数字以外で明記されているのもありますが内容量が違うだけです。

OD缶は寒冷地でも使用出来るのはガスの配合比率により変わってきます。ガスの種類にはノルマルブタン/イソブタン/プロパンの3種類です。プロパンの比率が大きい程寒冷地向きになります。

現在プロパンの比率は40%が最も多く大体は10%~30%位です。各メーカーのガス配合比率の種類も1~3種類あり登る山により使い分ける必要があります。

ガスがまだ残っているのに火が点かない(点きにくい・火力が弱い)場合は寒冷地によりプロパンから気化され次にイソブタン、最後にノルマルブタンが残ってしまいます。

もしこの様な症状が出ましたらノルマルブタンのみの缶は夏場で使用しましょう。冬山に行く場合はイソブタン+プロパン配合のガス缶をおすすめします。

CB缶:「CassetteGasBombe」カセットガスボンベの略です。ガス内容量は一般的に流通している物が250gですね。120gもありますが見かけませんよね?

CB缶はスーパー・コンビニ・100均・ホームセンター・ドラッグストアなど比較的簡単に手に入りやすいのが強みです。

CB缶にもプロパンが配合されているパワーガスがありますが、やはりOD缶と比べると火力は劣ります。荷物としても250gが一般的で登山へ持ってみえる方も中にはいますがザックの中はかさばります。

しかしCB缶ならではのバーナーのデザインやOD缶と違い重心が低く山中、山頂など不安定な場所でも安定性は良いですね。

OD缶CB缶のオススメ

あなたの用途で多少変動はしますが主に選び方の基準を説明しますね。

  • 携行性:持ちやすさはザックの中に入れますが日帰りですと一度しか使用しない場合もありますので大きな物は必要ありません。

一体型のOB缶はコンパクトです。分離型はホースもありますが皆で食べる場合など好みで選んで下さい。分離型はガス缶の上に載せないので重心が低く安定感は向上しますね。

  • 購入場所:CB缶はコンビニや100均・スーパーやドラッグストアでもお手軽に入手出来るのが強みです。一方OD缶はホームセンターやアウトドア用品のコーナーなどでしか入手出来ません。
  • 火力:OD缶はアウトドアで使用する為だけあり寒い中でも火力は充分です。一方CB缶にもパワーガス(プロパン配合)はありますがOD缶程火力はなく寒冷地には向きません。
  • 値段:OD缶はやや高めです。CB缶は比較的に安いです。
  • バーナー:点火するのに大抵の方はトーチを使用すると思われますがライターやサバイバルマッチなど色々数多くありますが点火装置付きのバーナーなら火傷の心配も無く、トーチやライターを忘れても大丈夫ですね。

安定させるにはガスカートリッジホルダーもあります。

 

最長計測値 12㎝×横2.7㎝×高さ3.3㎝

広げると直径22㎝程まで広がるので不安定な場所で重心が高いOD缶でも安定しますね。

CB缶で使う事は無いと思われますがCB缶/OD缶105g(小)/OD缶250g(中)500g(大)のストッパーの位置を合わせられます。写真はOD缶(小)の位置です。

登山に行く際にはコンパクトなOD缶を持った場合としても登山の他にもバーべQやキャンプなどでグリルなどはCB缶を使用となると両方の缶を持ち運んだり、燃料が切れても使いまわしが出来ないので統一にした方が良いでしょう。

すでに両方持っているのであれば登山ではOD缶を使用して家で鍋や車に積んでキャンプなどはCB缶と使い分けて良いですね。

ガソリンタイプは低価格で外気温にも左右されませんが持ち運ぶ容器が必要ですし点火に慣れるまで時間もかかる為中級者、上級者になってからの方が良いです。

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ガス缶のデメリット

  • OD缶ではお水を沸かす際重心が高くなる為山などの不整地では不安定になりがちなのでガスカートリッジホルダーで安定させましょう。
  • OD缶の購入場所は上記でも説明しましたが「専門店」や「ホームセンター」や「アウトドア用品店」など限られています。
  • CB缶では一体型でも使用出来るバーナーの種類も大きくて荷物がかさばります。分離型は更にホースも付きます。
  • CB缶は火力がOD缶と比べ弱いですし寒い場所には向いていません。CB缶でもパワーガス(プロパン配合)もありますが寒冷地には向いていません。

使用後の廃却方法

各自治体により廃却方法は違いますので自治体に確認しましょう。本来なら「ガス抜き」の後に「カンベンチレーター」を使用して穴をあけ燃えないゴミで出している方も少なくはないと思います。

ガスを「使い切れば出していい」が難しいんですよね。私の市では穴をあけずに出せますが「ガス缶」と一目で解る様にそれのみで出す必要があります。

もし自治体が穴をあけて出す様にと指示があれば必ず屋外でガスを拡散出来る風のある日に風通しの良い場所で周囲に何も無いか確認後穴をあけましょう。

引き取ってくれるアウトドアショップや山専用ショップなどもありますので購入時に聞いておくのも良いですね。先日(2020年11月17日)ホームセンターでも聞いたところ「購入時のレシートを見せて頂ければ一緒に引き取りますよ」と言うお店もあります。

CB缶は石やコンクリートに先端を押し付けガスを出し切って下さい。上記同様に屋外で風のある日に風通しの良い場所で周囲確認後に実施です。

慣れている方は色々な方法で穴をあけたりしていますが一番は引き取ってもらう事です。どうしても穴をあけなければならない場合は慣れている方と一緒にやってみて覚えておきましょう。

湯沸かしバーナーとガス缶の危険性

バーナーはガスと接続する部分にゴムで空気が漏れない様にする役割の「Oリング」の劣化を確認して下さい。不安でしたらアウトドアショップの店員さんや登山専用のショップで聞けば教えてくれます。矢印の黒くて丸いのが「O(オー)リング」です。

「もう一度位使えるだろう」は危険ですので定期的なメンテナンスをして下さい。Oリングの交換の目安は1~2年で購入は200円程で購入出来ますし自分でも簡単に交換出来ます。火傷や火災など事故を未然に防ぎましょう。

古いOリングを取り外す時や新しいOリングを取り付ける際にネジ山や表面にキズを付けない様に注意して下さい。針金などでキズを付けない様に古いのを取り出した後、爪楊枝の柄(持ち手側)の方で押し込んで新品を付けるのがキズを付けずに出来ますよ。

寒冷地ではガスの気化熱によりガス缶の温度が下がって気化出来なくなるのを「ドロップダウン現象」と言います。

ガス缶は寒冷地ではOD缶のイソブタン+プロパンの配合を使用しますが、それでも点きにくい(弱い)のはガス缶をあたためる必要があります。私はカイロであたためています。

あたためるとして手であたためても良いんですが冷たくなるしずっとは無理なのでカバーの役目をするガスカートリッジカバー(ケース)やバーナーの熱を熱伝導でガス缶表面の冷却を防いでガスカートリッジの火力を安定させるパワーインクリーザーを使用して下さい。

決して「お湯に入れてあたためる」と言う行為だけはしない様にして下さいね!

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火力が弱いからと言ってOD缶を2つ並べて大きな鉄板一枚で調理なども大変危険行為なので禁止です。

後はガスの詰め替えですね。ガスの配合比率は統一されておらず量も多く入れすぎたりすると大変危険です。危険物の資格も必要なんです。それでも色々な法律が存在する為資格を持っていたとしても罰せられる可能性もあります。

万が一怪我など負った場合には補償はされず保険対象外になります。こうなっては機器の保証とか言っているレベルが違いますね。そもそも充填を行える道具は販売されておりYouTubeで充填方法やサイトにも手順がありますが、しない方が無難です。

価格の安いCB缶からOD缶へ経済的にもですしガス缶の凹みなどで詰め替えたいなどあるかも知れませんが同じメーカーの純正品でもメーカーは推奨していませんのでしない様に。

知らなかったではすまされない他のガスの詰め替え自体が違法行為になるので必ずしないで下さい。ガスの充填そこまでしなくても家の庭先などでバーべQで使い切りすれば良いと思われます。

なのでガスの詰め替えなど決してしない様にして下さいね。使い終われば引き取ってもらったり自治体の指示に従って出せば済む話なので、そこは節約する箇所ではないですよね。

ここまで読んでも仲間や友達など充填されてる方もいるでしょう。あなたもいつか安上がりだからと言ってする時が来るかもしれません。もしガス充填を行う場合は自己責任だと言う事だけ覚えておいて下さいね。

残量確認方法

先ずは購入したガス缶の重量を量りましょう。あなたが登山に行く時に残り何回使用出来るのか把握出来る目安となる為覚えておきましょう。

少し見にくくて申し訳ございませんが説明させて頂きますと今回250g(中)新品の総重量が370gとなっています。

ガス量は230gと明記されており缶自体の重さが140gあるのが解りますね。登山から帰って量ってみると総重量が320gになっていた。

50g使用し残りのガス量は180gとなります。今回行った登山先では登りのコーヒーで1回、お昼のカップ麺とコーヒーで1回使用したので単純計算で後3回は普通に使ってもガス切れの心配はなさそうだ。

まぁそれでも毎回量る癖は付けてガムテープに日付と〇〇gと記入して貼っておくと便利ですよ。

単純計算は大体なので%で表すと総重量(370g)ー使用後ガス缶(320g)=使用ガス量(50g)となり元のガス量は230gでしたので
新品ガス量230g-使用ガス量50g=残り180gなので残り180g÷新品ガス量230g=0.782となりそれに100をかけると78.2%と残量が明確になります。

ガス缶とバーナーの寿命

OD缶の底面には製造充填日が記載されています。メーカーによって違いますが3~5年と言われていますが行く回数によりますが2年以内に使い切るのを目安に考えましょう。

先ずは110g(小)を購入し新品と登山後と量って自分が使用するガス量を把握して下さい。

CB缶は7年以内を目安に使い切って下さい。購入しても中々使用せず又ガス切れが嫌でストックもあるのではないでしょうか?

これを機に製造年月日を確認し見た目が綺麗であっても月日が経っていたら勿体無いと思わず事故にならなくて得をしたと捉えましょう。

バーナーはOリングを1~2年に一度交換をしていても10年近くなったら店員さんや熟練者に確認してもらい買い替えるつもりで処分も依頼してみて下さい。

保管方法

40℃以下で直射日光が当たらない場所に保管する様にして下さい。車中に放置は危険ですし他にはキャンプでバーべQなど砂浜や焚火など高温になる場所には絶対放置しないで下さいね。

必ずキャップをして影で涼しい場所に保管する様にして下さい。登山に行く時でもキャップはする様にして下さいね。夏場のキャンプの場合クーラーBOXに入れておくのも良いです。

まとめ

  • あなたに合ったガス缶の種類を決めましょう。
  • 転倒防止で安定させる為にはカートリッジホルダーをしましょう。
  • 廃却は購入時に確認しておく。すでに持っている場合は自治体に確認する。
  • ガス缶に穴をあける場合は熟練者と一緒にしてもらう事。
  • バーナーのOリングの劣化を確認する。ガス缶の方も接続部の確認をしておく事。
  • ガスの充填は絶対しない事。
  • 点きが悪くてもお湯に入れない事。 
  • 購入したら量り、登山後も量りガムテープに日付と残量を記入しておきましょう。
  • ガス缶やバーナーの寿命を把握し勿体無いと思わず怪我防止で得をしたと捉える事。
  • 正しい保管方法を行う事。

最後までお読み頂きありがとうございました。一歩間違えば大惨事になりかねませんので正しい方法で正しい保管を心掛け快適な登山を続けられます様にしていきましょうね。

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